ロシア進出主要上場企業の2割が事業停止・制限を発表

ロシア進出主要上場企業の2割が事業停止・制限を発表

帝国データバンク調査、 今後さらに拡大も

帝国データバンク(TDB)は3月16日、ロシアのウクライナ侵攻を受けた日本企業への影響に関する調査結果を公表した。

2022年2月時点でロシアへの進出が判明した国内上場企業168社のうち、3月15日までにロシア事業の停止や制限などを発表・公開した企業は約2割に相当する37社に上った。業種を見ると完成車や建設重機メーカーなど「製造業」(28社)が大半だった。

事業の停止や中断となった様態の内訳は、製品の出荷などを含む「取引停止」が22社で最も多かった。次いで現地工場の稼働停止など「生産停止」(7社)、店舗などの「営業停止」(4社)などが続いた。

欧米各国や日本がロシアへ経済制裁を講じているのに伴い、物流停滞や部品調達難が発生し、現地生産や商品の配送などサプライチェーン面で混乱していることをロシア事業の停止・中断理由に挙げた企業が多かった。ロシア現地事業の完全撤退は確認されていないという。

調査対象の上場168社のうち、現地での販売拠点や駐在員事務所など「オフィス / 店舗・販売拠点」が約7割を占めるほか、「工場・製造(生産)拠点」が約2割に達している。ロシア進出の日本企業全347社と比べると、ロシア国内に生産拠点を有する企業の割合が高かった。


(いずれもTDB提供)

TDBは「ロシアが撤退する外国企業の資産国有化を打ち出すなどビジネスリスクが高まっているのに加え、投資家や消費者がロシアビジネスに厳しい目を向けるなど、企業ブランド・イメージの観点からも事業の停止・撤退の見極めが難しくなる。ただ、現状の劇的な改善が見込めない限り、新規の対ロ投資なども含め、ロシアビジネスを一時的に停止する企業は今後さらに増える可能性がある」と展望している。

(藤原秀行)

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