原料調達などの知見組み合わせ、製造・供給網確立図る
三菱商事とENEOSは4月18日、航空機からの温室効果ガス排出削減につながる持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、SAF)の普及へ連携すると発表した。
ENEOSが有する燃料の製造技術や全国をカバーする販売網と、三菱商事が持つ国内外の原料調達およびマーケティングに関する知見を組み合わせ、各種SAF製造技術の成熟度向上と商業化を図る。
国際民間航空期間(ICAO)が2021年以降、CO2排出量を増やさず航空業界の成長を持続させる方針を推進し、27年に取り組みを義務化する方向で準備を進めており、欧米を中心にSAFの開発・導入の機運が盛り上がっている。
日本政府も2030年までに国内航空機のジェット燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を設定しており、国内のSAF供給体制構築が喫緊の課題となっているのに対応する。
SAFは廃食油や食物などを原料として製造、化石燃料由来の既存ジェット燃料に混ぜて使う。日本でも日本航空(JAL)や全日本航空(ANA)が採用に着手しているが、現状は輸入に頼っているため、国産化が強く求められている。
(藤原秀行)