最大8メートルまで積み重ね可能、1時間当たり最速400~500個処理
物流向けロボット開発などを手掛ける中国の海柔創新(HAI ROBOTICS、ハイロボティクス)の日本支社HAI ROBOTICS JAPAN(HRJ)は4月21日、埼玉県三芳町の本社に併設した製品のデモンストレーションを実施する専用施設「HRJテクニカル・センター(HRJ Technical Center)」を、ロジビズ・オンラインなど一部メディアに公開した。
施設内には入ロボティクスが独自に開発した自動ケースハンドリングロボット(Autonomous Case-handling Robot=ACR)システム「HAIPICK(ハイピック)」を設置。天井近くまで商品を積み上げられるラックからACRが商品を収めた専用箱「トート」や段ボールを自動で取り出し、ピッキング作業を行う設備「ステーション」まで運ぶオペレーションを実演している。
HRJテクニカルセンター
ラックに高く積み重ねられたトートや段ボール
ACR
自動でトートを取り出す
ラックはACRの機種によっては最大で8メートルまで積み重ねることが可能で、倉庫スペースの利用効率を高められ、荷物の取扱量の変動などに応じて格納スペースを柔軟に変えられる。他社のAGV(自動搬送ロボット)などと組み合わせることもできるという。最速で1時間当たり400~500個程度のトートを処理する能力を備えている。
HRJは1カ月程度でシステムを立ち上げられる上、ピッキングで庫内を歩き回る過程をACRに代替させることで作業の生産性を3~4倍に高められると想定。投資回収は3~4年で可能とみている。
ACRは既に世界で3000台以上の出荷実績を重ね、3PLやアパレル、家電などの業界で広く使われている。日本でも引き合いが寄せられており、HRJはデモを公開する上に顧客の業務内容に応じて適切な業務効率化のソリューションを提供できる体制を整え、需要の開拓を目指す。
(藤原秀行)