ブルーイノベーション、ドローンの自動離発着装置を事業化へ

ブルーイノベーション、ドローンの自動離発着装置を事業化へ

UKCHDや大成と業務提携、IHI子会社も場所提供で協力

 ドローン(小型無人機)の運行管理システム開発などを手掛けるベンチャーのブルーイノベーション(東京)は1月22日、ドローンの自動離発着装置「BIポート」の開発・事業化に向け、大手半導体商社UKCホールディングス(HD)、ビルメンテナンスの大成と業務提携すると発表した。

 ドローンを物流に利用するには操縦者の目が届かない長距離を飛ばす「目視外飛行」の実現が不可欠となっているため、3社が連携してBIポートを早期に事業化し、ドローン物流実現に弾みを付けたい考え。物流用の装置は今年秋ごろをめどに実用化のイメージを明らかにしていくことを考えている。

 UKCHDと大成は既にブルーイノベーションへ出資しており、業務提携で協力関係をより強める。物流のほか、ドローンによる警備やインフラ点検、エンターテインメントといった用途も念頭に置いている。

 都内の本社で記者会見したブルーイノベーションの熊田貴之社長は「BIポートを軸にあらゆる移動体との連携が可能な“クラウドモビリティ構想”を今年春に発表したい」と述べた。


BIポート事業化への意気込みを語る熊田氏

将来は駐車場でドローンの機体格納・充電も

 BIポートは屋外に加え、屋内に展開していくことも想定している。物流施設内の在庫管理といった用途にドローンを充てられるようにするのが狙いだ。将来は現在官民で実用化に取り組んでいる「空飛ぶ車」にBIポートを活用することも目指す。

 併せて、IHI子会社で機械式・自走式駐車場などを手掛けるIHI運搬機械(東京)もBIポートの普及で協力する。駐車場の空いたスペースにBIポートを設置したり、ドローンが運んできた荷物を保管・格納したりすることをイメージしている。


BIポートの活用イメージ(ブルーイノベーション提供)

 記者会見に同席したUKCHDの栗田伸樹社長は「(BIポートを生かしたソリューションの)販売パッケージ構築と国内外の販路拡大に注力していきたい」と説明。

 大成の加藤憲博専務取締役本部長はブルーイノベーションやNTT東日本と組んで開発したドローンのオフィス内巡回サービスを紹介。IHI運搬機械の村井厚則理事(プロジェクト推進統括部長)は「将来的には機械式駐車場にドローンや空飛ぶ車を格納・充電できるのではないか」と展望した。


「BIポート」のロゴマークなどを手にして会見後の撮影に応じる(左から)栗田、熊田、加藤、村井の各氏

(藤原秀行)

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