法人向け引っ越しの過大請求受け、支店には車両停止処分
国土交通省は1月23日、ヤマトホールディングス傘下で引っ越し事業を手掛けるヤマトホームコンビニエンス(YHC、東京)に対し、法人向けの引っ越しサービスで料金を過大請求していた問題を受け、貨物自動車運送事業法に基づき、再発防止を強く求める事業改善命令を出した。
併せて、過大請求に関連していた123支店を車両停止とするとともに、この中で高知支店は7日間、豊橋、周南、高松の3支店は3日間のそれぞれ事業停止も科す行政処分を出した。
YHCは同日、「ヤマトグループのサービスをご利用いただいている全てのお客さま、および関係者の皆さまに多大なご迷惑ならびにご心配をお掛けしたことを、あらためて深くおわび申し上げる」とのコメントを発表。
事業改善命令に盛り込まれた適正な見積もりの実施を担保するシステム構築や適切な約款整備、法令順守確認機能の強化などについて、期限の2月25日までに具体的な措置を取りまとめて報告すると説明した。
国交省がトラックの事故など安全面ではなく、取引上の不備を理由に事業改善命令や車両・事業停止の処分をするのは極めて異例。YHCは見積もりより扱った荷物が少なくても料金を見直さない事例が多かった上に、過大請求が過去5年間で30億円を超えるなど悪質なことを重視した。
(藤原秀行)