ドローン同士が自動交信しニアミス回避

ドローン同士が自動交信しニアミス回避

情報通信研究機構が新技術の実験成功

 情報通信研究機構(NICT)は1月24日、ドローン(小型無人機)同士が自動的に交信してお互いの位置情報を共有、ニアミスを回避する実験に成功したと発表した。内閣府の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の一環。

 操縦者の目が届かない遠距離を飛ばす「目視外飛行」をする上で機体の安全を確保できると期待しており、実用化されれば物流や災害対応などへのドローン活用に弾みがつきそうだ。

 「ドローンマッパー」と呼ぶ位置情報共有システムとドローンの飛行制御装置などを組み合わせ、ドローンが相手の機体の位置情報から接近を感知すると自動的に離れるなど衝突防止の措置を取る。


衝突回避の仕組み(NICT提供)※クリックで拡大

 昨年12月17、18日の両日に埼玉県秩父市のグラウンドで実験を行った結果、複数のドローンが40メートル程度まで近づいたところで、ニアミスを避けるため一定の距離を取りながら飛行したという。一度に最大3機のドローンが自動的な危険回避に成功した。

 NICTは「今回の実験は安全確認のため毎秒1 メートルという非常にゆっくりとした飛行速度で実施したが、次のステップとして、飛行速度をさらに増した状況での性能検証を行うとともに、他の機関との連携も視野に、同時飛行台数の増加やさまざまな飛行シナリオにおける評価についても動作検証する予定」と説明。ドローンと有人ヘリコプターの接近検知などにもトライする方向だ。

(藤原秀行)

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