帝国データ調査、コロナ禍の「まん防」解除で経済活動活発
帝国データバンク(TDB)が6月3日公表した5月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が37.2で、4月の前回調査から0.6ポイント上昇した。改善したのは2カ月連続。
新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置の解除で経済活動が活発となり個人消費が回復してきたことが景況感を上向かせたとみられる。
全業種ベースの景気DIも前月比0.4ポイント上がって41.2となり、3カ月続けて改善した。大型連休で外出が増えたこともあり、10業界のうち小売やサービスなど9業界が改善した。
TDBは今後の景況感について「下振れリスクを多く抱えながらも、緩やかな上向き傾向で推移すると見込まれる」と前向きな展望を示した。引き続き、原材料や燃料の価格高騰などの動向が懸念される。
運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、「ウィズコロナで経済活動の全再開を見込み、さらに設備投資と物量の増加を期待。原油・資材高は続くも円安はピークアウトを想定」(一般貨物自動車運送)、「運賃は落ち着いてきたものの配船スケジュールの乱れが継続。燃料価格の高騰で仕入価格は横ばいか増加。その状況が続く見込みで、夏頃から国内業者も値上げする方向で、全体的にコストが上がることになる」(運輸に付帯するサービス)といった声が出ていた。
(藤原秀行)