相互システム連携、海外との取引成立から物流手続きまで対象に
国土交通省港湾局と、貿易に関する各種情報の一元的な管理が可能なシステム「TradeWaltz(トレードワルツ)」を運営するトレードワルツは6月7日、貿易業務の完全電子化へ協働すると発表した。
国交省が推進している手続きの電子化システム「Cyber Port」とTradeWaltsを連携させ、日本標準の貿易情報管理システム構築を目指す。
貿易手続きに関しては、通関領域がNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)の活用で電子化が先行しているものの、残る領域は依然として紙書類やファクス、PDFといったアナログの手続きが多く残っており、非効率でリモートワークが難しく、ステータスが分かりづらいといった課題が山積。デジタル化が急務となっている。
CyberPortは国交省と内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(現デジタル庁)が、物流手続などの電子化に向け、物流関係団体らと連携しながら構築、2021年に第1次運用を開始した。荷主・船社・船舶代理店・海貨業者・NVOCC/国際フォワーダー・倉庫業者・通関業者・ターミナルオペレータ・陸運業者といった多岐にわたる民間事業者間のやりとりを電子化する取り組みを推進している。
既に2020年11月、NACCS-TradeWaltz間の連携に向けた協業を公表しているほか、NACCS-Cyber Port間も連携機能の実装を今年4月1に発表済み。今回はTradeWaltz-CyberPort間を連携させていく協働となる。国交省とトレードワルツは今後、システム連携の詳細が固まり次第、順次公表していく予定。
(藤原秀行)※図はいずれもトレードワルツ提供