保冷剤の温度を可視化、リスク自動判定
パナソニックは7月19日、厳格な温度管理が必要となる医薬品輸送など向けに、保冷剤の温度管理を可視化し、収納品の凍結トラブルを未然に防ぐ機能を備えた保冷ボックス「VIXELL Anti Freeze(ビクセル・アンチフリーズ)」の提供を同日開始したと発表した。
医薬品の流通は輸送時に厳格な温度管理(2~8℃管理)が求められるケースが多く、温度調節された保冷剤を医薬品とともに保冷ボックス内へ収納し、温度を保つのが一般的。しかし、保冷剤の温度調節はオペレーターの手作業に依存する部分が多い上、作業現場の温度変化などの影響を受け、温度調節が想定通りにできず医薬品が凍結してしまうトラブルが発生している。
問題回避には保冷剤の温度を全数計測し、記録を残す作業が必要だが、数多くの保冷ボックスを取り扱う医薬品物流現場では手間が掛かる作業のため現実的な解決策になっていなかった。
「VIXELL Anti Freeze」は、温度センサー付きRFIDタグを備えた保冷剤と、真空断熱保冷ボックスVIXELLで構成。保冷ボックスを検査台に乗せるだけで、ボックスへセットされた全ての保冷剤の温度情報から、輸送中の凍結リスクを判定できるのが特徴。輸送中の医薬品凍結を未然に防ぎ、医薬品の廃棄ロス削減に貢献できると見込む。
凍結リスクの判定は、VIXELLの主断熱部の真空断熱筐体(VIC)の断熱性能検査システムへ組み込まれており、保冷品質の担保に必要な保冷ボックスと保冷剤のコンディションを同時に作業現場で確認することが可能。
また、判定結果はクラウドサーバーに保存。保冷ボックスの検査日時や稼働状態をウェブ上で確認できるため、保冷ボックスの効率的な運用にもつながるとみている。
(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)