納品や陳列、販売などの場面で効果検証、将来は小売業界全体で標準化目指す
花王とコストコホールセールジャパンは7月19日、製品の梱包材として繰り返し使用可能な折り畳みコンテナを、川崎市の倉庫店1カ所に同日からテスト導入すると発表した。
期間は9月末までの2カ月余りの予定。使用する折り畳みコンテナの数量は毎月約1500梱を見込む。
併せて、両社協働で折り畳みコンテナの活用による環境負荷低減と作業効率向上に向けた効果検証を実施。得られた知見を活かし、折り畳みコンテナの導入店舗拡大を図るとともに、業界全体の取り組みへ発展させていくことを目指す。
販売店に製品を納入する際の梱包材はこれまで主にリサイクル可能な段ボールが利用されてきた。一方で、店舗での開封・廃棄作業の負担やリサイクル過程のCO2排出といった課題もあった。
そのため、両社はタッグを組み、繰り返し使用可能な折りたたみコンテナをテスト導入し、回収・再利用する取り組みを始める。両社で「納品」「陳列」「販売」など様々な場面における折り畳みコンテナの効果を検証し、活用する上での利点と課題を抽出。検証結果を踏まえ、将来は業界全体での循環型折り畳みコンテナ利用の標準化を図る。
循環型折り畳みコンテナ
左:段ボール使用時、右:循環型折り畳みコンテナ使用時(いずれも両社提供)
今回の取り組みは、2021年7月に花王がグループ全社員を対象にスタートした、各社員が持つアイデアを公募し、事業化や社内構造改革などにつなげるよう後押しする制度「01KAO」(ゼロワンカオウ)で初めて具現化した施策。脱炭素化への貢献もにらんでいる。
(藤原秀行)