先端医薬製品や検体試料などのニーズ獲得狙う
三井倉庫ホールディングス(HD)は1月31日、医薬品の製造・品質管理に関する基準「GMP」に準拠した高品質な極低温保管輸送ワンパッケージサービスを始めたと発表した。
同社は2015年、京都大iPS細胞研究所(CiRA)向けに「再生医療用iPS細胞ストック」を収める専用容器を開発し輸送サービスを開始。その後も医薬品メーカーや研究機関などから、多様な検体試料を極めて低い温度に保ちながら運ぶサービスを積極的に受託している。
さらに、岡山大大学院医歯薬学総合研究科と、患者の同意を得て提供された血液や体の組織などを極低温下で保管するとともに臨床情報を管理する「バイオバンク」の共同研究を進めてきた。
これまで積み重ねてきたノウハウを生かし、新サービスを展開。先端医薬製品のメーカーなどの需要を国内外で獲得していきたい考えだ。
既に関西地区で子会社の三井倉庫が運営している医薬品専用施設内に、同サービスの初拠点を昨年末にオープンさせた。
液体窒素自動供給システムを採用した極低温保管タンク(三井倉庫HD提供)
(藤原秀行)