イオン、「2024年問題」対応で最大10%の配送効率改善目指す

イオン、「2024年問題」対応で最大10%の配送効率改善目指す

納品時間枠見直し物量平準化、AI活用した配送計画最適化などにも着手

イオンは12月22日、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応を発表した。

2024年春から順次、全国約3300店舗を対象に物流効率改善を前提とした店舗配送方式へ移行する。サプライチェーン全体を物流効率化の観点から再設計し、配送に必要な車両数削減やドライバーの負荷軽減を進める。最大約10%の配送効率改善を目標に掲げている。

一般的に小売業は、開店前や特売日前に物量が集中し、日別の物量差が最大2倍になるなどの物量波動が生じやすく、物流の負荷を増す要因となっている。

現状を踏まえ、イオンは物流改善プロジェクトとして、グループ共通の配送方式展開など、以下4つの施策を推進することにした。

・車両効率を前提とした納品時間枠の設定と、日別物量の平準化による積載率の改善
「朝便」「昼便」の区分を廃止し、1つの枠として車両は満載の状態で走ることを前提とする。曜日ごとの物量の平準化を前提とする方式へ移行し、車両積載率を改善する。

・AIを活用した配送計画の最適化による必要車両数の効率化
交通状況や店舗別物流状況などを基にAIで最適ルートを計算し、より少ない車両で配送する。

・店舗荷降ろし時のドライバー付帯作業の削減
ドライバーが商品を売場まで引き込む納品方式を採用している店舗に対し、店舗荷受場での荷渡しを原則とするルールへ変更する(夜間納品などの例外を除く)。

・モーダルシフトやエリア単位での共同配送のさらなる推進
長距離輸送でドライバーの負荷軽減と脱炭素に貢献するモーダルシフト(鉄道貨物の利用など)をさらに強化する。地域単位で小売各社の車両の余剰をシェアする取り組みを率先して推進し、各地域の物流リソース不足の解消に努める。

(藤原秀行)

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