ヤマトと仏宅配大手DPD、温室効果ガス排出量の世界共通算定基準検討などで連携

ヤマトと仏宅配大手DPD、温室効果ガス排出量の世界共通算定基準検討などで連携

サプライチェーン全体の環境改善見込む

ヤマトホールディングス(HD)は7月20日、欧州最大の宅配ネットワークを持つフランスのDPDグループと、温室効果ガス排出量の世界共通算定基準の検討など環境分野での協力に向けた基本合意書を7月12日付で締結したと発表した。

温室効果ガスに関しては、メーカーや小売などの企業にとっては「スコープ3」(事業者自らによる直接排出分と他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出分を除いた部分)で物流領域の排出量を計算する必要があるが、パートナーの物流企業はそれぞれ算定基準が異なることが課題となっている。

両社グループは2017年に仏郵政公社グループのクロノポストと輸送領域で業務提携。21年には国際的な食品・食材の小口保冷輸送の仕組み「Fresh Pass(フレッシュパス)」を立ち上げるなど、環境負荷低減のための取り組みを進めてきた。

さらに、物流における温室効果ガス排出量の世界共通の算定基準の検討と、環境分野のノウハウの共有を進める。各社の輸配送に関わる間接的な温室効果ガス排出量の算定基準を統一することで、共通の算定基準による報告が可能となり、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の可視化につながると見込む。

併せて、ヤマトとDPDがそれぞれ持つ大気汚染防止など物流の環境負荷低減のノウハウを共有することで、サプライチェーンの環境改善に活用していく方針。

(藤原秀行)

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