【独自】サッポログループの“社内ロジ大学”、外部と産学連携した教育プログラム拡充に意欲

【独自】サッポログループの“社内ロジ大学”、外部と産学連携した教育プログラム拡充に意欲

田島学長らが表明、物流センター見学も想定

サッポロホールディングス(HD)は7月14日、東京都渋谷区恵比寿のサッポロHD本社大講堂で、グループの物流領域に関する社内大学「サッポロロジスティクス★人づくり大学」(ロジ大)と東京理科大学が連携し、同大の現役学生が物流実務を疑似体験する教育プログラムを初めて開催した。

ロジ大の学長を務めるサッポログループ物流の田島一孝社長はロジビズ・オンラインの取材に対し、教育プログラムの成果に手ごたえを感じていると説明。産学が連携して物流の重要性を体感する取り組みを継続、発展させていきたいと強調した。


教育プログラムの活動の様子

教育プログラムは将来の社会を担う学生たちに物流の重要性と醍醐味を体験してもらうとともに、ロジ大メンバーにも若い人と交流することで刺激を与えるのが狙い。参加した学生はロジ大メンバーらと議論しながら、実際のビール製品の需要予測と供給計画の策定にチャレンジし、製品の供給を滞らせずに続けることの難しさと重要性を体感した。

田島社長は、ロジ大の活動について「今年で活動は4期目になるが、もともと(ロジスティクスに精通した)人材が不足してきていることがあるし、今のロジスティクスの課題は部門を横断して解決していかないといけないということを考えると、全社的にロジの部門の知識や課題を共有するのがすごく重要。そういう相互理解の下にいろいろなことができるので、さらに受講される方を増やし、活動を充実させていきたい」と意欲を見せた。

教育プログラムについては、これまでにも座学は展開しているが、実際に物流業務を疑似体験する試みは初めてだったことを明かし、「座学で得た知識が実務の中でどのように生かされているのか、どのように運用されているのか、学生の皆様方に触れていただくのは非常にいいことだと思っている」と狙いを説明。

「社員側も学生の方々のいろんな発言、考えを受けて刺激をもらったり、気づきを得たりすることにつながっていけば、いい結果につながるのではないか。今のところはうまく行っていると思っている」との見方を示した。

教育プログラムの中で、商品の需要予測と供給計画の策定という実践さながらのシミュレーションを提供するユニークな取り組みをしたことについては「担当者が面白いものを提供したいと一生懸命考えてくれた。学生の方々がどんな感想を持たれたかを聞いて、次回以降につなげていきたい」と語った。

ロジ大の活動に携わっているサッポログループ物流の井上剛ロジスティクスソリューション部長は「われわれはグループで商品需給計画システムを導入し、生産や出荷を平準化していきたいとの思いがあり、それを一緒に、学生の方々に体験していただきたいと考え、需要予測と生産計画のシミュレーションを実施した。今後は実際に物流センターを見学していただくことも考えられるのではないか」と産学連携の取り組み拡充に期待をのぞかせた。


田島社長(右)と井上部長

(藤原秀行)

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