社会課題解決に貢献可能なビジネス創出を支援
三菱地所とSAPジャパンは2月1日、東京・大手町でベンチャー企業など向けの拠点「Inspired.Lab(インスパイアード・ラボ)」を開設、メディアに公開した。
三菱地所が運営しているオフィスビル「大手町ビル」の6階に入居。面積は3040平方メートル。「FULL OF BEANS、FULL OF DREAMS」「己の信念を強く持ち、アイディアをフルスイングしよう」「ひとりでは到達しえない未来を拓こう」を施設のコンセプトとして設定。
スタートアップ企業のメンバーらにラウンジや自由に使えるオフィススペース、カフェなどを提供するほか、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった先端技術の実証実験の場としても開放し、社会が抱える課題の解決に貢献可能なビジネスの創出をサポートしたい考え。企業間のコミュニケーション促進も図る。
現時点でスタートアップ企業10社などの参画が決定しているという。両社は将来、拠点がある丸の内エリア全体を実証実験の場としていくことを視野に入れている。
ラボのロゴ
デザインシンキングスペース
3Dプリンターなどを備え、さまざまな作業が可能な「工房」(いずれも三菱地所提供・クリックで拡大)
ラボ内で同日開催した記者会見で、三菱地所の湯浅哲生執行役常務は「われわれが核となり、大企業や投資家、スタートアップ企業などを結ぶエコシステムを構築していきたい」と意欲を示した。
SAPジャパンの内田士郎会長は、国内でイノベーションを生み出す上で課題と考えられている3つのPとして、自分と異なる環境の人と交わっていく「People」、共通言語を持つ「Process」、創造性を高める環境を意味する「Place」を列挙。「新拠点で3つのPを解決していくための手段を提供したい」と意義を強調した。
(藤原秀行)