商船三井と東海大学など、航空宇宙工学を取り入れた風力推進船の共同研究開始

商船三井と東海大学など、航空宇宙工学を取り入れた風力推進船の共同研究開始

温室効果ガス排出削減図る

商船三井は8月4日、商船三井テクノトレード(MOLTT)、東海大学、三井造船昭島研究所と連携し、航空宇宙工学を取り入れた船舶の風利用推進に関する共同研究を始めると発表した。

商船三井、MOLTT、三井昭研の3社は風を船舶の推進力に変え、温室効果ガスの排出を削減する「ISHIN船型」を共同開発。船舶への採用を進めている。東海大学工学部航空宇宙学科の福田紘大准教授と協業することで、ISHIN船型に航空宇宙工学技術を取り入れ、さらに高度な「風力活用の船体形状に関する研究開発」を進める。

ISHIN船型は船首・船側方向からの風圧力を低減する形状とし、風の流れをスムーズにすることに加え、斜め向かい風から受ける揚力を船舶の推進力として利用する船型。実際に船舶へ採用することで、北米航路運航で約5%の温室効果ガス排出削減が可能。さらに航空宇宙工学分野で培われた技術を導入することで、約12%以上の温室効果ガス排出削減につなげていくことを目標に掲げている。

東海大学の福田研究室では、これまでロケットおよび航空機の流体力学特性の把握をはじめ、高性能ソーラーカーの空力開発、ソーラー無人飛行機の開発、流体シミュレーションの医療分野への応用などの研究活動を手掛けている。今回の共同研究で船舶分野の共同研究に幅を広げていく方針。

今回の共同研究は日本舶用工業会が募集した2022年度「新製品開発助成事業」に採択され、日本財団の助成を得て、社会実装に向けて研究開発を進めている。


(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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