環境省の事業に採択、ディーゼル並みの出力を達成
トナミ運輸、低公害車開発を手掛けるフラットフィールド、東京都市大学、エネルギー商社の北酸、早稲田大学アカデミックソリューションは8月9日、「既販中型重量車の水素エンジン化事業性検証プロジェクト」が環境省の令和3年度「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」に採択され、8月20日に始動したと発表した。
走行距離が長く、需要量も大きいトラックなどの重量車を脱炭素化するため、既存車両を水素エンジン車に改造し、実用性の確保と環境性・経済性を評価する。水素エンジンは現状、ディーゼルエンジンと比較して出力不足が弱点だが、プロジェクトの成果により、6月15日時点で、既存のディーゼルエンジン並みの出力を得るところまで到達したという。
2022年度後半には実用化を目指して耐久試験を実施する予定。
車両は積載量の確保(ベース車両の70%以上)を目指す。事業化に向けては経済性を重視する観点から水素化部品のキット化を含めたコスト削減策を検討する。
目的達成のため、アネブル、リケン、東京プラント、マーレエンジンコンポーネンツジャパン、マーレエレクトリックドライブズジャパン、日本特殊陶業、エルリングクリンガーマルサン、IHI、ENEOSなど自動車産業に関係がある多くの企業が協力している。
プロジェクトで開発する車両は今後、富山県で環境性・経済性を確認するための実証試験を行い、貨物事業における実用性や耐久性の評価も行った上で、2026年度の社会実装(販売開始)を目標としている。
水素エンジン搭載重量車のレイアウトおよびシステム構成(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)