コロナ禍受けEC利用広がる、ヤマトの好調際立つ
国土交通省は8月10日、2021年度の宅配便事業者による取扱実績を公表した。
主要な22のサービスブランド全体の取扱個数は前年度比2.4%増の49億5323万個だった。新型コロナウイルスの感染拡大でeコマースの利用が広がっていることを受け、7年連続で過去最高を更新した。伸び率自体は20年度の11.9%から縮小した。
宅配便の大半を占めるトラック運送分は2.0%増の48億8206万個だった。
各社のトラック運送分取扱実績の内訳を見ると、最大手のヤマト運輸は8.5%増の22億7562万個で2年続けて前年実績を上回った。シェアは20年度から2.8ポイント上昇し46.6%と好調が際立っている。
2位の佐川急便は1.6%増の13億6917万個で、シェアは0.2ポイントと小幅低下し28.0%だった。採算を重視し、BtoBの物流効率化支援などに注力していることを反映した結果とみられる。
3位の日本郵便は9.4%減の9億8857万個で、シェアは2.6ポイント下落し20.2%。20年度に10億個の大台を突破したが、減少に転じた。ECの利用が多い小型荷物に特化した「ゆうパケット」が、ヤマトの「ネコポス」に押されて不振だったのが影響したようだ。
上位3社合計のシェアは20年度と同じく94・8%で、寡占状態に変わりはなかった。
メール便は主要な10のサービスブランド合計で1.1%増の42億8714万冊となり、5年ぶりに前年実績を上回った。ゆうパケットの集計上の区分が2016年に従来のメール便から宅配便に変わった影響で減少が続いていたが、21年度は健闘が目立った。
(藤原秀行)