SGHの次期社長に荒木秀夫取締役が昇格

SGHの次期社長に荒木秀夫取締役が昇格

町田社長「新しい物流の在り方を創造できる人材」と評価

SGホールディングス(SGH)は3月1日、次期社長に荒木秀夫取締役(佐川急便社長)が昇格するトップ人事を発表した。町田公志社長は取締役へ、また佐川急便の新社長には本村正秀・佐川急便取締役が就く。いずれも4月1日付。なお町田氏は6月開催予定の定時株主総会をもって取締役を退任する。

記者会見で町田氏は社長交代について「お客さまの要望が日々変化し複雑化する中、物流事業の本質を見極める力がますます必要になると感じていた。そのような事業環境下でSGHグループを牽引していくには、新しい物流の在り方を創造できる人材が望ましいと考え荒木氏に次の社長を託すことにした」と説明。

また社長在任の4年間を「特にコンプライアンス、ガバナンスの強化・充実を推進してきた。2017年12月には東証1部上場が認められ、上場後もマーケットから一定のご評価をいただいていると思う。業績面も適正運賃の収受をお客さまからご理解いただきながら継続することで成長できた」と振り返った。

荒木氏は現在の心境を「グループの社長というバトンの重みを感じ、その重責を担うことに対して身の引き締まる思い」と表現。

佐川急便社長として適正運賃収受による収益性向上を同業他社に先駆けて取り組んだこと、グループ横断型プロジェクトチーム「GOAL」の発足、長時間労働の抑制やダイバーシティ推進によって企業風土の改革を図った点などを挙げ、「物流は社会インフラとしてなくてはならない事業に成長してきた。これと真摯に向き合いお客さまをはじめとする全てのステークホルダーから必要とされる企業として存続することが使命」との決意を表明した。

今後の事業戦略については「国内は佐川急便を中心とした企業間物流での強みをさらに生かしていきたい。グローバルでは国内外一貫物流の提案によって海外から国内倉庫を介さずダイレクトに店舗納品が可能となるスマートインポートの提供、海外における域内デリバリーの拡充、クロスボーダー輸送など国際物流分野を拡大することでさらなる成長を目指す」と展望。

その上で「アジアを代表する総合物流企業グループの実現、持続的な発展を遂げるためにもグループ全体を俯瞰的に見渡し、自社のリソースを最大限に活用しながら必要とされる投資は積極的に行っていく」とのビジョンを示した。

(鳥羽俊一)


記者会見に臨む町田公志社長(左)と荒木秀夫取締役

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