内需落ち込みによる販路開拓を支援 決済にブロックチェーンや暗号資産活用
STANDAGE(スタンデージ)は9月8日、貿易業務をインターネット上で処理、効率化することが可能なサービス「デジトラッド」(旧DiGiTRAD)の提供を正式に開始したと発表した。
恒常的な人口減少と円安による内需の落ち込みから、新たな販路拡大を喫緊の課題に掲げる国内企業が増えている一方、貿易には専門知識や語学力が求められるほか、決済や物流の仕組みも煩雑なことが中小企業にとって輸出参入の大きな壁となっている。
デジトラッドは貿易における販路開拓、交渉、決済、貨物の引き渡しまで、ワンストップで完結することが可能。5月に企業への利用提案を開始しており、導入企業は既に国内で延べ数十社に達した。12月には100社への導入拡大を目指す。
デジトラッド最大の特徴はブロックチェーンと暗号資産を使った独自開発の決済システム。2019年に金融庁の許可を得て運用を開始した。
アフリカをはじめとした新興国は新たな販路開拓先として注目を集める一方、国際的なネットワークが発展している先進国とは異なり、企業間決済を銀行経由で行うと送金から着金まで数日~数週間を要することがある。さらに、送金には複数の銀行を経由するため手数料もかさむ上、中小企業の場合は売掛金の未回収リスクを自社で負わなければならなかった。
デジトラッドの決済システムは、送金手続きは5分程度で完了し、送金手数料は銀行の半分以下に抑えられる。暗号資産は米ドルと同等の価値を持つ米ドルコインを採用。ブロックチェーン上に仮想の「デジタル金庫」を用意し、双方の合意の下で代金の支払いが行われるため、代金の未回収リスクも低減できると見込む。
(いずれもSTANDAGE提供)
(藤原秀行)