【独自】DHLサプライチェーン、物流現場の負荷軽減と効率化促進へ新たなロボットやパワースーツの導入検討

【独自】DHLサプライチェーン、物流現場の負荷軽減と効率化促進へ新たなロボットやパワースーツの導入検討

ジレ社長らが社内イベント開催、結束の必要性強調

DHLサプライチェーンは9月8日、東京都内で、業務を統括するマネージャー職を対象とした、経営方針の伝達と意思疎通促進のための社内イベント「マネジメントカンファレンス」を開催した。オンラインではなく対面で実施するのは3年ぶり。

同社のジェローム・ジレ社長兼日本・韓国クラスターCEO(最高経営責任者)ら経営陣や現場責任者が登壇し、「WE ARE ONE TEAM(われわれは1つのチーム)」のスローガンを掲げつつ、今後予想される事業環境の変化と対応するための具体的な取り組み、中長期的な経営方針について説明。この中で、物流現場の負荷軽減と業務効率化の促進へ新たなロボットや自動化機器の導入を準備していることを明らかにした。

また、日本国内でのM&Aなど、業容拡大のための施策を積極的に検討していく姿勢を強調。従業員にとって働きやすい環境の整備も最重要なテーマとして実現に取り組んでいくスタンスを明示、結束の必要性を強調した。


イベント会場


会場のロビーに設置された、ESG投資の重要性をアピールする展示

ジレ社長は100人以上の参加者を前に、DHLサプライチェーンの日本における長期的ビジョンとして、輸送ネットワーク・拠点の最適化、ESG(環境・社会・企業統治)領域への投資、価値観の共有などを列挙。その一環として、千葉県八千代市で着工した新たな物流拠点「DHL八千代ロジスティクスセンター」に触れ、ファッション・アパレル業界を中心とした物流需要の獲得に生かす方針を示した。

藤岡康郎副社長は、DHLグループがグローバルで培ってきた物流改革のノウハウを日本にも注入し、顧客の物流業務のデジタル化や現場のガバナンス向上などを従来以上にサポートしていく方針を表明。実際に様々な顧客企業の物流改革を進めている実例を紹介した。併せて、事業基盤の強化へ他の物流企業との業務提携やM&Aにも意欲をのぞかせた。

各部門の担当者も参加し、精密機器やアパレルといった得意分野で、自動化・省人化の促進、オペレーションの効率化、環境配慮型物流の展開などを推し進め、付加価値の高い物流を実現することにより収益を伸ばしていくとのシナリオを提示した。

また、自動化・省人化に向け、採用を検討している具体的なツールとして、ラピュタロボティクスのPA-AMR(自律移動型協働ロボット)、ドイツのGerman Bionic(ジャーマンバイオニック)のコネクテッド・パワースーツを紹介。実際に日本のDHLSC拠点に取り入れたいとの意向を示した。


会場のロビーに展示されたラピュタロボティクスのAMRとGerman Bionicのコネクテッド・パワースーツ

ジレ社長はロジビズ・オンラインの取材に対し、自動化・省人化について「単に人を減らすということではなく、いかに業務の負荷を減らせるか、スタッフをより付加価値の高い仕事に就けるようにするかが重要」と解説。AMRなどを各拠点に横展開していくことに意欲を見せるとともに、他のツールも検討したいとの考えを見せた。

イベントではこのほか、実際の顧客の現場で担当者同士がチームとして、物流業務変革のプロジェクトに当たり、苦労しながらも成果を出していったケースを紹介するなど、それぞれのスタッフが率先して現場改善に取り組んでいく雰囲気の醸成に努めていた。

(藤原秀行)

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