商船三井は10月4日、デジタル技術を活用し船舶の目的地到着時間を最適化するシステム「Blue Visby Solution(ブルー・ヴィスバイ・ソリューション)」の開発を通じて船舶のCO2排出量削減を目指す団体「ブルー・ヴィスビー・コンソーシアム」に参加したと発表した。
コンソーシアムは船舶設計と安全・効率運航に関わるデータソリューションを提供するフィンランドのNAPA(ナパ)と英国の国際弁護士事務所Stephenson Harwood(ステファンソン・ハーウッド)を中心に、一般財団法人日本海事協会、Lloyd’s、丸紅といった産官学・NGO(非政府組織)・NPO(非営利組織)など15を超える団体で構成されている。
「Blue Visby Solution」は同じ目的港へ向かう船舶群の到着時間の最適化・分散を目指している。各船舶の性能や目的港の混雑状況・天候などの条件を考慮して、到着予定順を維持したまま各船舶に最適な目標到着時刻を提供。各船舶の最適な航行速度を割り出し効率的な航海を行うことで、CO2排出量の削減を図る。
コンソーシアムでの検証を通じ、平均15%の温室効果ガス排出削減効果が見込めることが示されており、商船三井の温室効果ガス排出削減・効率運航深度化への取り組みの有効な手段となると期待している。
●「Blue Visby Solution」でのシミュレーション実施有無による違い(イメージ)
①滞船数(左図)シミュレーション無、(右図)シミュレーション有
②船舶のCO2排出量(左図)シミュレーション無、(右図)シミュレーション有
③船舶の航行速度 (灰色)シミュレーション無、(紺色) シミュレーション有
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用