データ活用し配送ルートや積載量を最適化、温室効果ガス排出削減図る
長瀬産業は10月7日、DXを活用したベトナム国内での物流効率化・温室効果ガス排出量削減に向け、ベトナムで企業間物流のプラットフォーム事業を展開するスタートアップLOGIVAN VIETNAM TECHNOLOGY COMPANY,LTD.（ロジバン）と業務提携で合意したと発表した。
温室効果ガス排出削減に関しては、ゼロボードが開発する排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard（ゼロボード）」と連携する。ベトナムでの物流効率化・温室効果ガス排出削減に取り組む本事業は、日本貿易振興機構（ジェトロ）の「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」に採択されている。
ベトナムでは物流インフラの整備が不十分で、個人事業主や小規模物流業者による非効率な配送、デジタル化の遅れが課題となっている。さらに、温室効果ガス排出削減量のScope3（取引先などサプライチェーン全体で自社以外から出る分）において企業物流はその10％前後を占めるといわれており、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議 (COP26) でカーボンニュートラルを宣言したベトナムでは排出量削減が強く求められている。
化学品、樹脂製品、食品素材などを中心にベトナムでビジネスを拡大している長瀬産業は、荷主・配送業者間のマッチングアプリ運営などのプラットフォーム事業を展開するLOGIVANと組むことで、物流データをデジタル化し配送ルート・積載量などの最適化を通してコスト削減と温室効果ガス排出量低減の実現に取り組む。まず長瀬産業のベトナム現地法人Nagase Vietnam Co.,Ltd とその顧客を中心にサービスを展開する。
同時に、「zeroboard」との連携を通じて顧客の企業活動全体の温室効果ガス排出量を算定・可視化することで、最適な排出量削減のためのソリューションを提案する。
長瀬産業とゼロボードは、国内だけでなく、タイやベトナムを中心にアジアでもzeroboardの展開による脱炭素経営支援に取り組んでいる。国・地域ごとの課題に則した効率的かつ精度の高い排出量可視化、削減ソリューション提案を通じて、国内外のカーボンニュートラル実現に向けて継続的な協力体制を構築する。
（藤原秀行）
