【独自】買い物かごを一度に450個投入可能な洗浄機開発、物流センター設置でサービス品質向上も期待

【独自】買い物かごを一度に450個投入可能な洗浄機開発、物流センター設置でサービス品質向上も期待

ダイフクプラスモア、2023年発売へ

ダイフクの子会社で洗車機を手掛けるダイフクプラスモアは9月28~30日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された食品物流の展示会「FOOD展―フードディストリビューション2022」で、2023年の発売を予定している買い物かごの洗浄機「バスケットウォッシャー」をお披露目した。

スーパーなどの店舗で客が使用する買い物かごの衛生管理は、洗浄を請け負う専門業者もあるが店内で行っていることも多く、スタッフが手作業で清拭や洗浄をする場合は特に負担が大きい。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、清潔な買い物環境のニーズが高まっているが、店舗側からはコストやマンパワーの点からあまり頻回な手入れはできないと悩む声も挙がっている。こうした状況を改善するため、ダイフクプラスモアは専用の機器を販売することにした。

同社の担当者は「新型コロナ発生以降、消費者の衛生意識はより厳しくなっている。例えば物流センターに洗浄機を設置し、センター・店舗間の輸配送車両を利用して買い物かごを回収、洗浄して店舗に戻すといった使い方をすれば、効率良くサービス品質を高められるのではないか」と指摘。物流の付加価値を高める手段にもなるとの見方を示している。

今回発売を予定しているのは2機種で、1つはストレージコンベヤーと洗浄ラインを組み合わせて最大450個のかごをまとめて洗浄可能な「搬送式」。もう1つはコンパクトサイズで店頭に設置、買い物客に洗浄の様子を見てもらい安心感を高めることを目指した「ドラム式」だ。ダイフクグループが手掛けてきた洗車機の洗浄技術やマテハン技術を最大限生かして実用化にこぎ着けた。


バスケットウォッシャーの搬送式


ドラム式

オリコンなどへの対応も検討

「搬送式」は、かごを1つずつハンドリングして洗浄・乾燥するユニットとストレージコンベヤーで構成。重ねたかごをコンベヤーに投入すると、機械が自動で「段ばらしユニット」へ搬送、1つずつ掴み上げて反転させ、「洗浄ユニット」で高圧洗浄する。汚れが付着しやすいかごの取手部分は開いて丁寧に洗浄。その後、もう一度かごを反転させて水を切り、ブロワーによる「乾燥ユニット」で乾燥させるとの流れだ。

1時間の処理能力は250個。コンベヤーに流せる最大数の450個(50個×9セット)を投入すれば110分間オペレーションが不要となり、少ない人員での運用が可能だ。同社はニーズがあれば、ゆくゆくはオリコンなど他の樹脂製搬送容器への対応も検討するという。

一方のドラム式は、あえて店頭で洗浄の様子をオープンにし、来店客の信頼を高めることを狙っている。幅2600×奥行1800×高さ2200ミリメートルと店舗のカート置き場などに設置しやすいサイズで、デザイン性にもこだわった。投入できるかごの個数は最大50個、1時間の処理能力は80個だ。

使う場面に応じて2種類のいずれかを選べるようにしている。後者のドラム式は、店舗における清潔さ維持の取り組みを全面にアピールするシンボルとしても使えそうだ。同社は実店舗に加えて物流センターへの設置も働き掛けていく予定だ。


12カ所のノズルから高圧水を噴射し洗浄


重ねたかごを1つずつハンドリング

(川本真希、藤原秀行)

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