アジアのパレット標準化リードに意欲

アジアのパレット標準化リードに意欲

協会の加納会長、「日本の産業界にも大きなプラス」と意義強調

日本パレット協会の加納尚美会長(日本パレットレンタル社長)は10月7日、東京都内で記者会見し、アジアの物流現場でパレットが標準化されるよう、日本が率先して活用をリードしていくことに強い意欲を示した。

同協会は会見の席上、今年9月に日本や中国、韓国など10カ国が加盟するアジアパレットシステム連盟(APSF)がオンラインで開催した総会で、2030年に向け、日本から物流現場でのパレット普及のためのロードマップを提案したことに言及。11月にも合同のワーキンググループで検討を始めることを明らかにした。

日本の提案は加盟国の国内と各国間のそれぞれの領域に分けて取り組みを列挙。パレットやかご台車など繰り返し使える物流容器「RTI(リターナブル・トランスポート・アイテムズ)」の標準化と免税措置の確立などを打ち出している。

併せて、30年のゴールのイメージとして「全ての加盟国がRTI循環利用に対応できる運営体制が整っている」「RTIを利用した輸出入を可能にするために各国で均質化したサービスが始まっている」ことなどを示している。

加納会長は会見で「戦後、日本でもパレットが導入されたが、標準化という概念がなかったため業界によってばらばらのサイズになり、先進国でありながら標準化が非常に遅れている。黙っているとアジア各国で同じことが起きてしまう」と指摘。日本の経験も踏まえ、パレットの普及と標準化を並行して進めていく重要性を強調した。

併せて「日本発着の貨物のパレット化推進につながり、日本の産業界にも大きなプラスになる」とアジアにおけるパレット普及を率先していくための活動の意義を訴えた。

加納会長は併せて、国内の物流標準化を後押しするため、新たに「活動推進会ENOGU(エノグ)」を立ち上げ、10月4日に初会合を開いたことを明らかにした。「官民物流標準化懇談会」の分科会が6月、これからパレット化を図る事業者に1100mm×1100mmの「T11型」を推奨することなどを示した中間取りまとめを公表したのに対応した。


会見する加納会長

(藤原秀行)

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