地上と同じ医療体制実現、船員らの健康確保支援
調剤薬局チェーン大手の日本調剤は10月24日、内航船の業務支援などを手掛けるゼクト、東京都教職員互助会三楽病院(東京都千代田区神田駿河台)と連携し、2022年10月7日に八重川海運株式会社(徳島県阿南市)の内航船員を対象とした、船上でのオンライン診療・服薬指導を国内で初めて実施したと発表した。
〈内航船上でのオンライン診療・オンライン服薬指導実施フロー〉
ZMO:ゼクトが開発したオンライン診療システム「ゼクト・メディカル・オンライン」
八重川海運が所有する内航船
内航船上でのオンライン服薬指導の様子
日常生活や医療などに必要な物資を流通させる内航船員は、社会機能を支えるエッセンシャルワーカーとしてその重要性が再認識されている一方、陸から離れた船舶という特殊環境下で長期間勤務する船員の平均疾病発生率は0.81%に上り、陸上労働者の疾病率の0.41%と比較して高く、内航船員の健康確保が課題となっている。
今年4月施行の改正船員法は船舶所有者に労務管理責任者の選任などを義務付け。さらに2023年4月には船員の健康確保に向けた新たな制度がスタートする予定。
日本調剤、ゼクト、三楽病院が協働して慢性疾患を抱える内航船員の治療・服薬をサポートする体制を整備し、八重川海運の内航船員を対象とした初めてのオンライン診療・服薬指導を展開した。
(藤原秀行)※写真は日本調剤提供