帝国データ調査、燃料費高騰への懸念も
帝国データバンク(TDB)が11月4日公表した10月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が40.7で、9月の前回調査から2.5ポイント上がった。
改善は2カ月連続で、昨年12月以来、10カ月ぶりに40台へ回復した。
最近は改善と悪化が交互に続き、景況感は一進一退となっていたが、やや上向いてきた。新型コロナウイルスの感染拡大鈍化を受けた政府の旅行支援策で観光バスなどの景況感が上向いたことがプラスになったとみられる。
ただ、燃料費の高騰が続いていることへの懸念の声も聞かれ、依然経営環境は厳しさが残っている。
全業種ベースの景気DIは前月比0.7ポイント上がって42.6で3カ月続けて改善した。TDBは今後の景況感について「サービス消費やDX 需要の拡大などが期待され、緩やかな改善傾向で推移すると見込まれる」と展望した。
運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「新型コロナウイルス以降産業の構造が変わり、先行きの読みづらさはあるが、TSMC(台湾積体電路製造)関係の需要が見込まれる」(一般貨物自動車運送)、「外航の円安傾向はしばらく続きそう。内航は、このまま売り上げが伸びなければ、船舶の海外売却後の廃業が増加する」(内航船舶貸渡)といった声が挙がっていた。
(藤原秀行)