センコーGHD、三菱商事傘下でプラスチック製食品包装容器大手の中央化学を買収へ★続報

センコーGHD、三菱商事傘下でプラスチック製食品包装容器大手の中央化学を買収へ★続報

TOB実施し子会社化、取引先開拓や業容拡大図る

センコーグループホールディングス(GHD)は11月14日、東証スタンダード市場上場でプラスチック製食品包装容器大手の中央化学を買収すると発表した。

中央化学に対するTOB(株式公開買い付け)などを通じ、同社を子会社化する予定。センコーGHDは中央化学を傘下に収め、物流の取引先開拓や業容の拡大を図る。中央化学親会社の三菱商事との関係強化も視野に入れている。

中央化学もセンコーGHDと連携することで、製品の物流効率化などを図りたい考えだ。

中央化学と三菱商事は同日、それぞれTOBに賛同する意向を表明した。

現在、三菱商事が中央化学株式の60.58%(今年9月末時点)を保有。併せて、中央化学が発行したA種優先株を2000株全て持っており、優先株を全て普通株式に転換すると保有比率は70.64%になる見通し。

センコーGHDはまず、11月15日から12月13日までの間、1株当たり、11月14日の終値326円を大きく下回る195円で第1回のTOBを実施、優先株も含めた三菱商事の保有する全株を取得する計画。取得額は約52億7500万円の見込み。

その後、センコーGHDは第2回のTOBを12月21日から2023年2月7日まで行い、1株当たり約27%のプレミアムを上乗せした418円で他の株主から残る全株式の取得を目指す。全株を取得できなかった場合は少数株主を対象にスクイーズアウト(少数株主からの強制買い取り)を実施する予定。

さらに、2回のTOB完了後、三菱商事は中央化学に40%を再出資する。中央化学はセンコーGHDの子会社、三菱商事の持ち分法適用会社となる。三菱商事は今後も中央化学との取引を継続する。

三菱商事は11月14日、「将来的なセンコーとのシナジーによる中央化学の企業価値向上を勘案すれば、中央化学の株式の市場価格を下回る金額で第1回公開買付けに応募することになるとしても、親会社をセンコーとする経営体制に移行することが中央化学にとり望ましく、また、本スクイーズアウト手続き完了後の当社による 40%の再出資を検討しているが、センコーによる中央化学の企業価値向上の実現や経営体制のスムーズな移行を支援するという目的に照らして合理的であると判断している」と説明している。

中央化学は1961年設立。2011年に三菱商事が連結子会社化した。中央化学の22年3月期の連結売上高は476億円、営業利益は7億8700万円だった。

(藤原秀行)

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