千葉・印西のセンターでスタート、順次全国各地に展開へ
JDSCは11月17日、センコーグループホールディングス(GHD)傘下のセンコーと連携し、物流倉庫スタッフの工数算出と適正配置にAIを導入、生産性向上を目指す「AI職長プロジェクト」のパイロット運用を11月に開始すると発表した。
今年1月からプロジェクトを推進してきた結果、物量の様相から最適な工数算出が可能となり、倉庫スタッフの待機時間を原資とした14%の工数削減余地が確認できたため、より取り組みを強化。センコーの現場で日々の業務における作業工数予測、作業進捗管理にAIを採用し、実用化に向けた検証を本格化させる。
「センコー印西ロジスティクスセンター」(千葉県印西市)を手始めに、順次全国各地のセンコー拠点に展開していく予定。
プロジェクトの概念図(プレスリリースより引用)
職長はセンコー社内の役職で、倉庫現場運営の指揮監督を担っている。
センコーは職長がこれまで培った経験と勘を基に必要工数を算出、現場を運用していたが、事業の拡大に伴う人材の育成が大きな課題となっていた。このため、AIで課題を解決、生産性向上を図ることにした。
属人的な経験と知見で進められていた業務にAIを組み合わせることで職長の業務の一部を標準化することを目指し、JDSCはセンコーに対してコンサルティングを行うとともに、最適なAIアルゴリズムの開発と提供を担っている。
プロジェクトを進めてきた結果、ロケーション最適化による集品業務の“移動時間”削減の余地を確認したほか、生産性に影響を与える因子を整理し、因子の組み合わせごとに生産性目標を細分化することで、あらゆる物量のパターンに対して最適に工数を数理的に導ける見通しが立ったという。
(藤原秀行)