「AI」テーマに実際の活用事例など紹介、第3弾も準備中
soucoとマーキュリアホールディングス傘下で企業投資を展開しているマーキュリアインベストメント(MIC)は、物流業界の最新動向を分析した特別リポート(ホワイトペーパー)の第2弾を無償公開した。
今年9月に発表した第1弾の「フィジカルインターネット」に続き、今回は「AI×物流」にスポットを当て、倉庫で実際の活用例を取り上げるなど、AIの導入に関心を寄せている関係者にとって役立つ内容となるよう工夫している。soucoのホームページでダウンロード可能(メールアドレスなどの登録が必要)。
ホワイトペーパー第2弾の表紙(souco提供)
soucoは空いた倉庫スペースの情報を登録した荷主企業や物流事業者で共有、必要に応じてすぐに使えるようにするシェアリングサービスを展開。一方、MICは伊藤忠商事と共同で組成した不動産・物流業界特化型の投資ファンド「マーキュリア・ビズテック投資事業有限責任組合(通称・BizTechファンド)」でAGV(無人搬送ロボット)メーカーに投資するなど、物流業界の業務効率化・自動化促進に注力している。
両社は生産性の低さがかねて指摘され、ITへの投資も他の産業に比べて遅れが目立つ物流業界のDX化を後押しするため、それぞれが持つ物流関係のノウハウを生かしてホワイトペーパーを共同で作成し、有益な情報を届け、自動化・省力化の機運を高めていきたいとの思いがある。
既に第3弾の作成準備も進めており、定期的に先進事例を発表していくことを企図している。
ホワイトペーパーの第2弾は全11ページで構成。AIの定義や歴史を簡潔に紹介した上で、米国の調査会社IDCによれば2021年の全世界のAI市場規模は前年比で15.2%増えるなど、有望視されていることに言及。「国内でも遠くない将来、ビジネスの現場においてAIが必要不可欠なものになる日が来ることは疑う余地はないかと思います」と指摘している。
さらに、物流業界での活用事例として、ロボット向けのソフトウエアに採用したり、輸配送計画の策定に使ったりしていると説明。物流企業の担当者へのインタビューで、在庫配置やピッキング順序の最適化でAIを取り入れていることも報告している。
(藤原秀行)