シー・インテリジェンス調査、コロナ禍で発生の港湾混雑緩和
欧州の海事調査会社シー・インテリジェンスが12月1日公表した10月の海上コンテナ輸送状況の調査結果によると、世界主要34航路のスケジュール順守率は10月が52.0%で、前月から6.6ポイントと大きく改善した。
スケジュール順守率が50%台を回復したのは2020年11月以来、約2年ぶり。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的感染拡大)の影響で港湾が混雑し、長らく低迷してきたが、混在の緩和で海上コンテナ輸送が正常化しつつあることが鮮明になった。
順守率はコロナ禍前まで60~80%台で推移していた。しかし、コロナ禍の2020年後半以降、急速に悪化。21年はほぼ年間を通して30%台にとどまった。22年に入ってからは1月以降、上昇傾向が持続している。
順守率が上向いてきたのは、アジアから北米・欧州向けの荷動きが鈍化していることを反映している可能性もある。
主要船社14社別では、全てが順守率40%を超え、前年同期の水準を大きく超えた。マースクやMSC、CMA-CGMの上位3社は50%台をキープした。
10月の平均遅延日数は9月から0.31日短縮し5.56日だった。コロナ禍前は3~4日台だったが、コロナ禍の21年後半は7日台が常態化。22年は1月が8日台と過去最悪の水準に達したが、その後は改善基調が続いている。
(藤原秀行)