経営再建進み、保有機材拡大し成長目指す
中堅航空会社のスカイマークが12月14日、東京証券取引所のグロース市場に上場した。
同社は2015年3月、格安航空会社(LCC)との競争激化などが響いて経営破綻したのに伴い上場廃止に追い込まれていた。7年9カ月ぶりに再上場を果たした。
上場で調達した資金は燃費性能に強みを持つボーイング737MAXシリーズの導入費用などに充てる。保有機材を拡大し、収益を伸ばすことを目指している。
同社は投資ファンドのインテグラルやANAホールディングスなどの支援を受けて経営再建を進め、19年10月に再上場を申請。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で旅客需要が激減、経営環境が急激に悪化したため、いったん取り下げていた。
コロナ禍後の旅行需要回復などを見込み、あらためて再上場に踏み切った。
スカイマークは1996年11月、格安旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)現会長の澤田秀雄氏らが設立。2015年、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。その後は収益回復を進め、19年には国際線に進出(現在は運休)するなど拡大路線を歩んでいる。
23年3月期の単独決算は事業収益(売上高に相当)が前期比79.9%増の848億円、営業損益が31億4100万円の黒字(前期は166億9400万円の赤字)、当期損益が90億1300万円の黒字(同67億2900万円の赤字)と予想している。
(藤原秀行)