災害発生時に短時間で点検可能、機能低下による経済損失を最小限に
プロドローンは1月26日、中日本航空(愛知県豊山町)、コハタ(北海道旭川市)と連携し、「群制御ドローンを用いて防災拠点である空港を短時間で点検するシステム構築に関する実証実験」を1月24日に県営名古屋空港内で実施、成功したと発表した。
2022年度の「新あいち創造研究開発補助金」に採択された案件。
愛知県の防災拠点となっている県営名古屋空港の広大な空港敷地を、群制御ドローンを用いて短時間で点検する仕組みの構築を目指して取り組んだ。今回実証した仕組みが機能すると、災害発生時に滑走路などを短時間で点検できるようになり、空港機能低下による経済損失を最小限にとどめられると見込む。
プロドローンは複数のドローンが相互に通信しながら一定の間隔を保って飛行する制御システムを開発し、実証実験では隊長機1機の動きに追従して他の2機のドローンを自動で飛行させる群制御飛行を実施。ドローンの位置は高い精度の手法「RTK」で測位補正を行うことにより正確な情報を取得、あらかじめ設定したルートを飛行している。
また、機体とのデータ通信はWi-Fiルーターを複数台使用することにより、より安定したフライト環境を整え、電波トラブルを防いだ。今後は機体数を増やし飛行高度を変えることにより、広範囲の点検撮影が可能になると期待している。
群制御飛行実験の様子(中央が隊長機ドローン、左右が追従機ドローン)
日中は多くの航空機が飛び交う空港のため、運用時間外での実証実験(夜間飛行)とし、安全担保を留意したため短時間飛行となった。プロドローンは空港内での群制御は国内初の取り組みと強調。今後は中日本航空や各関係者とともに、実際の運用に向けて協力する。
実施体制
機体概要
【基本スペック】
サイズ: 1,196×1,196×596 mm
重量: 5.4 kg(バッテリー除く)
飛行時間: 45 分(ペイロードなし)
バッテリー: 16,000 mAh×2 本
今回、実証で使用した機体(PD4B-M プロトタイプ)は軽量ながら10kg のペイロードがあり、長時間飛行が可能。レーザー高度計と加速度センサー、ジャイロセンサーなど複数のセンサーを備えている。また、LED 照明を取り付け、夜間飛行が可能な仕様となっている。
(藤原秀行)※写真などはプレスリリースより引用