国交省、道路への太陽光発電設備導入を後押し

国交省、道路への太陽光発電設備導入を後押し

22年度中めどに技術指針を公表、適当な場所提示

国土交通省は、道路への太陽光発電設備の導入を後押しする。2022年度中をめどに、太陽光発電設備を設定できる場所に関する技術的な指針をまとめ、自治体や高速道路運営会社などに参考にしてもらうことを想定している。

現状では、適当な設置場所を明確に示した指針が存在せず、道の駅や高速道路料金所の屋根など、太陽光発電設備は設置しやすい場所に限られていた。指針で設置に適した場所を提示することで、より幅広い場所に取り付けられるようにし、道路の照明などを再生可能エネルギー由来の電力で賄える体制を整え、政府が推進している2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)ようにしたい考えだ。

国交省は昨年11月に開いた社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)の道路分科会道路技術小委員会(委員長・二羽淳一郎東京工業大学名誉教授)で、指針の方向性を提示した。この中で、設置場所の具体的な案として、既に設置されているバス停やSA・PAのトイレといった上屋、高架下、暫定2車線区間でまだ工事に着手していない用地などに加え、高速道路のIC付近やトンネル出入り口の法面、道路照明、標識、車道などを列挙した。

いずれも、道路交通に大きな支障がないことが前提となる。今後は同小委員会の議論も踏まえ、太陽光を反射してドライバーの視界を妨げたり、設置した法面が崩れたり、設置することで管理費用が大きく膨れ上がったりしないよう、設置が適当とする場合の技術的な条件を詰める。

国交省によると、高速道路や国道で使う電力の約6割が道路照明とトンネルで占められている。一方、道路での再生可能エネルギー発電量は、道路関係の電力消費量全体の0.4%程度にとどまっているという。

(藤原秀行)

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