貿易業務のDX促進図る
貿易情報一元管理システム「TradeWaltz」を手掛けるトレードワルツは1月31日、丸紅によるトレードワルツへの出資に合意、払い込みが完了したと発表した。
丸紅は、同システムを活用しながら貿易業務効率化を目指す新たな「貿易コンソーシアム」(共同事業体)に参加済み。新たに出資にまで踏み込むことで、「TradeWaltz」を海外のシステムと連携させることを促進、事業のグローバル化を目指す。レードワルツの資金調達累計額は40億円に達した。
トレードワルツは2020年11月に事業を開始。現在は14社共同出資の産官学オールジャパンのスタートアップとして活動している。
「TradeWaltz」は日本と世界のアナログな貿易手続きの完全電子化・業務効率化を図るもので、過去の実証結果では44%の業務効率化が確認されたほか、紙書類や郵送が不要となることでコスト削減、貿易実務者のテレワークも可能になるとみている。
2022年には「インド太平洋サプライチェーン強靭化事業」の一環として、タイ・シンガポール・オーストラリア・ニュージーランドと日本の5カ国の貿易システム間接続、併せてタイとのユーザーを交えたデータ連携実証に成功し、結果を同年11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)2022タイ首脳会議付設「貿易DXシンポジウム」で発表した。
丸紅は2022年、Covantis(コヴァンティス)が開発・運営する穀物・油糧種子などのデジタル取引システムに参加、貿易取引業務の効率性・正確性・透明性の向上を目指してきた。
トレードワルツに出資することで、穀物業界をはじめとした国際貿易のデジタルトランスフォーメーション(DX)を主導し、生産地から消費地まで一貫したサプライチェーン管理の実現、新たな価値の創出につなげていきたい考え。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用