(森功著、講談社)
大手住宅メーカーが絡む事件であらためてクローズアップされた詐欺師集団「地面師」。連中は一体、どうやって他人の土地を勝手に売り飛ばしていくのか? 悪質な手口と隠された生態を有力ジャーナリストが追った。常に情報収集してターゲットを探り、狙いを定めたら黒幕と無関係の人間を地主役として雇い、演技指導。弁護士や司法書士も巻き込み、買い主を信用させる。その巧妙さには、土地取引に慣れているはずのホテルチェーンや不動産会社ですらだまされたのも無理はない、と思えてしまう。食い物にされぬよう、本書を読んでお互い用心しましょう!(2018年12月刊・1600円)