搬送工程に投入、作業員を解放しより付加価値高い業務へ転換実現
デンソーで活躍するMiR250
自律型移動ロボット(AMR)の開発を手掛けるデンマークのMobile Industrial Robots(MiR)は2月7日、自動車部品大手のデンソーが、米テネシー州アセンズ市の約7万4000㎡のパワートレイン生産施設に6台のMiR250ロボットを導入したと発表した。
倉庫と生産ライン間の搬送業務に投入した結果、台車の搬送業務に従事していた6人の作業員を解放し、付加価値の高い業務へ配置転換するという成果を6カ月以内で挙げたという。
さらに、部品を直接ラインサイドに運ぶジャストインタイム生産に貢献。他の部署の作業員からも保守用品やスペアパーツの搬送にロボットを採用するよう要望が出ているという。
デンソーは別の業務に配備するため、新たに5台のMiR500ロボットを購入した。デンソーはMiRにとって世界的に最も大きな顧客の1つとなっており、米国の4拠点や欧州の3拠点、アジアの2拠点でMiRロボットが活躍している。
MiR250
新製品のMiR250は移動速度が毎秒2m、可搬重量は250kg。狭いスペースでも円滑に自動搬送ができるのが特徴。MiR250シェルフリフトとROEQ社製カートを標準化することで、デンソーは同じカートベースを用途に応じてカスタマイズし、他のエリアへも迅速に展開っできるようにした。
MiRは2013年にデンマークで設立、18年に米国の自動試験装置製造大手テラダインの傘下に入り、22年にテラダインはAutoGuide Mobile RobotsをMiRに統合した。世界60カ国に約220の販売代理店と認定システムインテグレータを擁している。
(藤原秀行)※いずれもMobile Industrial Robots提供