神戸の物流企業ビーリンク、破産手続き開始決定

神戸の物流企業ビーリンク、破産手続き開始決定

負債54.57億円、粉飾決算判明

帝国データバンク(TDB)が2月9日発表したところによると、2月1日に神戸地裁へ自己破産を申請していた物流事業者のビーリンク(神戸市中央区)が2月3日付で破産手続きの開始決定を受けた。

TDBによると、負債は約54億5700万円。

ビーリンクは2005年11月に設立。荷物の定期集荷、チャーター便のほか、ダイレクトメールの発送や印刷、封入などを手掛け、倉庫や工場などの業務一括請負(倉庫保管、検品、ピッキング、梱包、発送)と人材派遣も行っていた。

自社雇用の外国人労働者を対象に始めた英会話教室を新規事業として立ち上げたほか、19年11月には世界的に著名なサッカー選手がプロデュースするスニーカーブランドの取り扱いを開始。日本初出店となる店舗を旧本社ビル1階に開設して店頭およびインターネットで販売し、業容を拡大。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要を背景に、大手飲食チェーンの冷凍パック宅配業務が伸長した21年10月期には年収入高約46億2000万円を計上していた。

しかし、22年3月ごろから一部金融機関の間で決算内容に疑義が指摘され、信用不安が高まり急速に資金繰りが悪化。ビーリンクは同年5月に入って、取引金融機関に対し10数年にわたり売上高や利益などを粉飾し、多額の簿外債務が存在していることを認め、私的整理による再建計画を提示していた。

その後は兵庫県中小企業活性化協議会の支援を受け、スニーカー事業から撤退し、所有資産の処分に注力。スポンサー企業の選定による再建を模索していたものの、金融機関からの同意を得られる見通しが立たないことから、自己破産に踏み切った。

(藤原秀行)

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