貿易情報一元管理システム「TradeWaltz」、豪州・ニュージーランド貿易プラットフォームと連携実証に成功

貿易情報一元管理システム「TradeWaltz」、豪州・ニュージーランド貿易プラットフォームと連携実証に成功

タイやシンガポールとも、5カ国間連携構想が前進

貿易情報の一元管理システム「TradeWaltz(トレードワルツ)」を運営しているトレードワルツは2月16日、2021年度国際会議APEC(アジア太平洋経済協力会議)ワークショップで発表した「日本-オーストラリア-ニュージーランド-タイ-シンガポールの5カ国貿易プラットフォーム(PF)間接続」に関し、22年度APECタイ首脳会議で接続に成功し、タイとはユーザー実証を完了したことを報告したと発表した。

さらに、オーストラリア・ニュージーランド・シンガポールの3カ国ともユーザー実証が完了。特にプロジェクトのきっかけになったニュージーランドに関しては、外務貿易省/MFATへ報告会を行った。

TradeWaltzはいまだ紙やPDFなどを介したアナログな手続きが残る貿易業務を、ブロックチェーン技術を活用し、安心・安全に完全電子化するのが狙い。過去の実証では、「TradeWaltz」を活用することで、業界と国を横断した貿易手続きの時間とコストが44%効率化できると証明されたという。

トレードワルツは、ニュージーランドで開催されたAPEC2021のワークショップで、タイ・シンガポール・豪州・ニュージーランドの4カ国と貿易PFを接続し、情報をやりとりできる5カ国連携構想を発表。経済産業省の「インド太平洋サプライチェーン強靭化事業」として1年間、開発を進めてきた。

2022年にはタイで開催されたAPEC2022付設「貿易DXシンポジウム」で、API接続の確立とデータ伝送の成功、タイのプラットフォーム「NDTP」とは連携ユーザー実証にも成功したことを報告した。

豪州、ニュージーランドの貿易プラットフォーマー「TradeWindow」とのAPI連携に関しては、2022年11月21日に双日-双日オーストラリアの豪州商流、同月24日にビィ・フォアード-シンク・ロジスティクス-モアナブルーのニュージーランド商流で、参加者に実際の画面を操作してもらいながら、船積み書類の一部構造化データとPDFを貿易PF間で授受する連携実証を行った。

今回の実証では、日本から豪州とニュージーランドへの輸出取引における①インボイス送付・受領②輸出許可証送付・受領③船積み書類(Invoice, Packing Listなど)の送付・受領――という3つのプロセスにおいて、日本側の現行業務と貿易PF連携(TradeWaltz-TradeWindow)で実証を行い、作業時間を比較。

その結果、送付側のデータ入力・送付や受領側のデータ確認時間が短縮され60%以上の業務効率化ができることと、リモートワークの推進に寄与することが分かったという。

今回の実証結果を受け、2月3日にニュージーランド外務貿易省へAPEC2021で発表した構想の一歩が実現されたこと、ユーザーからのポジティブな反応があったことを報告した。

(藤原秀行)※写真・動画はいずれもトレードワルツ提供

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