AuterionやDJI経験のシンシア・ホアン氏がトップ就任
ACSLは2月23日、中期経営方針「ACSL Accelerate FY22」で掲げた「持続可能なグローバル・メーカー」への成長を目指し、米国市場へ本格進出するための現地法人「ACSL, Inc.」をカリフォルニア州に設立したと発表した。
ACSLが経済安全保障ニーズに応えられることを強みとして、2023年度は日本市場における安定的な成長を享受しつつ、 インド・米国をはじめとした海外市場への進出を本格化させ、急成長を実現することを目指している。米国子会社設立もその一環。
ACSLは「米国の事業計画については具体的な計画を策定しており、今後の進捗を踏まえ、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに開示する」とコメントしている。
全世界のドローン市場は2022年度時点で300億ドル(約4兆円)と推計され、その中で北米の市場規模は81億ドル(約1兆500億円)とアジアに次いで2番目の大きさを占める。30年には122億ドル(約1兆6000億円)まで成長すると予測されており、ACSLは大きなポテンシャルがあると判断。経済安全保障・企業向け対応および用途特化型をキーワードとしたポジショニング形成が可能と考えている。
海外のドローン市場(「DRONE Industry Insights」よりACSL作成・提供)
米国の展示会では、ACSL開発のドローン「SOTEN(蒼天)」が点検・測量などで活用できると高評価を得ており、2022年10月と2023年1月に複数の顧客先でロードショーを実施、実務適用が可能という評価とともに、購入希望を確認したという。
22年9月、米国展示会Commercial UAV Expoに出展した際の様子
顧客先でのロードショー
こうした背景から、米国への進出を本格化することを決め、米国子会社の設立に至った。同社のPresidentにはシンシア・ホァン(Cynthia Huang)氏が就任。
同氏は直近まで米国の大手ドローンソフトウェア開発企業Auterion(オーテリオン)で事業開発と戦略パートナーシップを担当していた。同社入社以前は、中国ドローンメーカーDJIのDirector of Business Developmentとして北米の企業向け市場戦略をリードするなど、北米のドローン市場で大きな成果を発揮してきた。
併せて、ACSLで技術開発や海外市場開拓を統括してきたクリス・ラービ(Chris Raabe, PhD)氏が取締役に就任し、米国市場の業務執行に当たる。
名称 |
ACSL, Inc. |
所在地 |
710 Lakeway Drive, Suite 200, Sunnyvale, CA 94085 |
代表者 |
President Cynthia Huang |
事業内容 |
ACSLの産業用ドローンの米国市場での販売等 |
株主 |
株式会社ACSL 100% |
(藤原秀行)※いずれもACSL提供