ドローンなど活用の新スマート物流「SkyHub」、山梨県全域に拡大へ

ドローンなど活用の新スマート物流「SkyHub」、山梨県全域に拡大へ

富岳通運とセイノーラストワンマイル、NEXT DELIVERYが提携、災害時にも活用可能な「フェーズフリー型」インフラ構築目指す

山梨を地盤とする富岳通運(山梨県甲府市)とセイノーホールディングス(HD)傘下でラストワンマイル関連事業を手掛けるセイノーラストワンマイル、エアロネクスト子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYの3社は7月1日、ドローンなどを活用した新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」の実施エリアを山梨県全域に拡大するとともに、災害発生時に活用可能な防災インフラ整備に向け、業務提携契約を6月28日付で締結したと発表した。

3社は業務提携に先駆け、6月20日に「SkyHub Provider License」(SPL)契約を結んだ。

セイノーHDとエアロネクストは2021年1月、無在庫、無人化を実現する新スマート物流の事業化に向け業務提携契約を締結し、既存のトラック配送にドローン配送を組み合わせて地域物流の効率化と地域社会の課題解決を推進するSkyHubを共同で開発。山梨県小菅村など複数の自治体で社会実装の段階に入っている。NEXT DELIVERYは地域における新スマート物流の運営を担っている。

セイノーラストワンマイルは、物流のラストワンマイルに関する課題解決のため、セイノーグループにおける迅速な意思決定と連携強化を目的に今年4月発足。ラストワンマイル関連事業の企画・開発やオープンイノベーション、システム開発・運用、シェアードサービスを担当している。

富岳通運は山梨県下最大手の輸送会社で、西濃運輸の山梨県全域における代理店を務めている。山梨県下で特積み貨物や共同配送などの輸送事業を拡大するとともに、近年は倉庫事業、流通事業、警備業など事業の多角化を図っている。

SPLは地域物流を担う運送会社にNEXT DELIVERYがこれまで全国各地で展開してきた新スマート物流SkyHubのサービスをパッケージ化し、独自開発した配送管理システム「SkyHub TMS」とドローン運航オペレーションを第三者へ提供している。今年2月の大分県の中津急行に続いて国内2例目の締結事例となった。

3社は業務提携とSPL契約の締結で、人口減少によるドライバー不足や地球環境問題、荷物集約による効率化、脱炭素化などに連携して取り組み、山梨県下で地域住民にとっても地域事業者にとっても継続性のある、日常時に加えて平常時も活用可能な「フェーズフリー型」の地域物流インフラを構築、推進していきたい考え。


独自開発の配送管理システムSkyHub TMS画面


2023年8月 小菅村・丹波山村での特積み物流会社の共同配送開始の出発式の様子(道の駅こすげ)

(藤原秀行)※いずれも3社提供

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