飯野海運、ケミカルタンカーでバイオディーゼル燃料の実証実験

飯野海運、ケミカルタンカーでバイオディーゼル燃料の実証実験

使用済み食用油のリサイクルや再生可能な油脂から生産、脱炭素に貢献目指す

飯野海運は3月1日、自社で運航しているケミカルタンカー「Chemroad Echo」で、環境負荷が低いバイオディーゼル燃料の実証実験を行ったと発表した。


Chemroad Echo(プレスリリースより引用)

実験は昨年12月、使用済み食用油のリサイクルや再生可能な油脂から生産されているバイオディーゼル燃料の一つ、脂肪酸メチルエステル(FAME)の補油をシンガポール港で英国のエネルギー大手bpから受け、ケミカルタンカーに活用した。

実証実験ではFAMEを24%、低硫黄重油(VLSFO)に混合したものを使用。FAMEは燃料の生産・輸送・船での消費サイクルの指標となっている「Wellto-Wake(“生産井から航跡(航海)まで“)で発生する温室効果ガス排出量の削減に寄与するとみている。

FAMEなどのバイオディーゼル燃料混合は、既存船舶の主機換装やインフラ整備を行わず使用可能なため、環境負荷低減への迅速な寄与が期待されている。FAME は広くバイオディーゼル燃料として知られ、従来の軽油に近い特性を持っている。

今回の実証実験で使用されたFAMEの原料の由来や製造工程は国際持続可能性カーボン認証(ISCC、International Sustainability & Carbon Certification)を取得済み。同認証を得るには、廃棄物原料の生成から加工、輸送、最終的なバイオ船舶燃料の補油に至るまで、サプライチェーン全体にわたって持続可能性の基準が守られていることが必須。

飯野海運は2030年までに輸送単位当たりの温室効果ガス排出量を08年比で40%削減する目標を掲げている。今回の取り組みもその一環。

(藤原秀行)

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