4月の解禁受け需要に対応、量産体制確立へ
スズキと自動配送ロボット開発を手掛けるスタートアップのLOMBY(ロンビー)は3月16日、公道走行向けの屋外自動配送ロボットの量産を見据えた共同開発契約を締結したと発表した。
電動車いすの台車を用いた自動配送ロボットの試作車と関係スタッフ
LOMBYは、置き配バッグ「OKIPPA」を展開しているYper(イーパー)が新規事業として2021年4月にスタート。Yperを創業した内山智晴代表取締役が、新会社としてLOMBYを立ち上げ、22年5月にYperからロボット事業を継承し、ラストワンマイルの配送領域に新たな労働力の供給を目指して自動配送ロボットの開発を進めている。
スズキとLOMBYは2022年からスズキの電動車いすをベースとした台車を用いた自動配送ロボットの可能性を検討してきた。共同開発に踏み込み、スズキは台車の設計・開発を、LOMBYは自動配送ロボットの試作・改造、配送システムの開発、実証実験などをそれぞれ担当する。
また、配送ロボットと電動車いすの部品共通化を検討し、自動配送ロボットの量産化における製造コスト低減に取り組む。
今年4月から改正道路交通法の施行で、「遠隔操作型小型車」の条件を満たす自動配送ロボットの公道走行が可能になるため、ラストマイル物流領域へロボットを供給、自動宅配の需要に応えていきたい考え。
LOMBYが開発を進めている安価な低遅延遠隔操作システムと、複数の遠隔操作者が任意のロボットを適宜スイッチングして遠隔操作可能になる機能の確立を図っており、遠隔操作者はネットワーク環境があれば、どこからでもロボットを遠隔操作できる。
LOMBYは併せて、24時間運航に向け自律走行型のロボット「LM-A1」も開発中で、23年度のサービス導入を目指している。
(藤原秀行)※写真はスズキとLOMBY提供