現場管理ソフトのカミナシがCoral Capitalなどから30億円の資金調達実施、ノンデスクワーカー支援領域拡大へ

現場管理ソフトのカミナシがCoral Capitalなどから30億円の資金調達実施、ノンデスクワーカー支援領域拡大へ

「まるごと現場DX構想」公表、マルチプロダクト化促進

工場や店舗などの現場作業効率化とペーパーレス化をノーコードで実現できるソフトウエア「カミナシ」を手掛けるカミナシは3月29日、独立系ベンチャーキャピタルのCoral Capitalをリード投資家として、既存株主、新規投資家を引き受け先とした第三者割当増資と、日本政策金融公庫やみずほ銀行などの金融機関からの融資で総額約30億円の資金調達を実施したと発表した。

累計では約44億円に達した。

カミナシは併せて、中長期のプロダクト戦略「まるごと現場DX構想」を発表した。カミナシはこれまで、現場のペーパーレス化・デジタル化を推進することに尽力しており、今後は新規プロダクト開発を含めたマルチプロダクト化を促進。ノンデスクワーカーの活躍・挑戦をより強力に後押しする姿勢を示している。

資金調達概要
調達金額:約30億円
調達方法:第三者割当増資、融資
株主:<既存>Coral Capital(リード)、ALL STAR SAAS FUND、千葉道場ファンド
   <新規>みずほキャピタル
融資:日本政策金融公庫、みずほ銀行など
資金用途:プロダクト開発および開発体制の強化、採用

調達した資金は「まるごと現場DX構想」を実現するため、既存・新規プロダクトの開発に充てるほか、エンジニアやプロダクトマネジメント、デザイナーなどのプロダクト職の採用と組織体制の強化にも活用する予定。

プロダクト開発に関しては、IoTやAIといったテクノロジーへの投資を積極的に進め、プロダクト職の組織は2023年中に現在の約20人から約50人と2倍に増強する計画。

カミナシは「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」をミッションに掲げ、2020年6月末に「カミナシ」の提供を開始。導入現場数は累計7000カ所以上に達し、現在は食品やホテル、飲食、交通など30以上の業種で毎月100万枚以上の紙帳票をデジタル化している。

ノンデスクワーカーが働く環境の変革をさらに加速させるため、カミナシは新たなプロダクト戦略に基づき、従来の「紙をなくす」ことから、現場のあらゆる業務を効率化させるマルチプロダクトへ発展させていきたい考えだ。

「まるごと現場DX構想」に則り、今後は「業務」「人」「コミュニケーション」の3つの領域に関連するプロダクトを開発し、1つの画面上でより多くの業務が効率化される現場のためのオールインワンサービスを目指す。第1弾として、短期の時給労働者などフロー型人材の入退社手続きや管理、戦力化までをカバーするEmployee領域をメインとしたプロダクトを2023年中にリリースする予定。

Operation:現場管理業務をより円滑にするための帳票・報告書・承認などをデジタル化。既存プロダクトのアップグレード
Employee:短期の時給労働者などフロー型人材の入退社手続きや管理、戦力化までをカバーする機能を持つ新プロダクト
Communication:上記の2プロダクトに関連する、引き継ぎなどの業務連絡やシフト連絡、給与情報の通知などの機能を持つ新プロダクト

(藤原秀行)※いずれもカミナシ提供

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事