原材料や生産プロセスなど、複数の事業者が共有・一元管理可能に
大日本印刷と独自開発したバーコードによる貨物追跡サービス「SmartBarcode(スマートバーコード)」を手掛けるスタートアップのLOZIは3月30日、SmartBarcodeを活用して、フードバリューチェーンにおける商品の価値や安全・安心に関する情報の可視化サービスを、生産者や食品メーカー、消費者など向けに4月から提供すると発表した。
SmartBarcodeは1つのQRコードから多様な情報へのアクセスを可能にするシステム。QRコードとデータを読み込むスマートフォンだけでトレース(追跡)を可能にするアプリと、管理用のプラットフォームで構成している。物の調達から生産・在庫・輸送・販売に至るバリューチェーン上の各種情報(原材料・生産プロセス・生産地・輸送状況など)について、複数の事業者が入力可能にすることで、サプライチェーン全体を可視化して、一元管理、共有することが可能。
両社はSmartBarcodeを活用し、「食の情報を必要なステークホルダーに正確に伝える」ことに加え、ICT活用による企業や生産者の情報蓄積や情報管理のDX化を支援。食品産業などの活性化を図るとともに、農水産物の生産活動や食品メーカーの収益性を高め、従事者を増やすことなどに貢献していきたい考え。
大日本印刷は今後、蓄積した情報をあらかじめ設定した動画や静止画といったテンプレートに配することで自動加工し、広告・SNS・店頭メディアなどに使用可能なコンテンツを生成するサービスの開発にも取り組む。
第1弾として、国産農産物の海外輸出に取り組む株式会社の世界市場に対し、SmartBarcodeを活用した香港向けの国産農産物に関する生産者情報や商品情報を蓄積、店頭POPなどで可視化する実証実験を3~5月に展開している。
(藤原秀行)※図は両社提供