関係閣僚会議が初会合、「1年以内に具体的成果」
政府は3月31日、トラックドライバーの長時間労働規制が強化され、物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応を協議する「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」の初会合を開いた。
席上、岸田文雄首相は「物流政策を担う国土交通省と、荷主を所管する経済産業省、農林水産省などの関係省庁で一層緊密に連携して、わが国の物流の革新に向け、政府一丸となって、スピード感を持って対策を講じていく必要がある」と指摘。6月上旬をめどに、政策をパッケージとして取りまとめるよう指示した。
会議で指示する岸田首相。その左は斉藤鉄夫国交相
関係閣僚会議は官房長官が議長を務め、国交相と経産相、農水相の3人が副議長に就任。他に国家公安委員長、厚生労働相、環境相、消費者・食品安全担当相が名を連ねている。
岸田首相は2024年問題について「荷主・物流事業者間などの商慣行の見直しと、物流の標準化やDX・GXなどによる効率化の推進により、物流の生産性を向上するとともに、荷主企業や消費者の行動変容を促す仕組みの導入を進めるべく、抜本的・総合的な対応が必要」と強調。
「1年以内に具体的成果が得られるよう、対策の効果を定量化しつつ、6月上旬をめどに、緊急に取り組むべき抜本的・総合的な対策を政策パッケージとして取りまとめてもらいたい」と求めた。
会議の席上、国交・経産・農水の各省が2004年問題の現状について報告。具体的な対応を行わなかった場合、2024年度に輸送能力が約14%、30年度には約34%不足する可能性があるとの試算に言及した。
会議の様子
(藤原秀行)※写真は首相官邸ホームページより引用