工期大幅短縮のソリューション確立、まず現地物流企業などに売り込み
伊藤忠商事は5月1日、蓄電システム・配電設備を担う米スタートアップのVeloce Energy(ベローチェエナジー、コロラド州ラブランド)とEV(電気自動車)の普及促進に向け、戦略的業務提携契約を締結したと発表した。併せて、ベローチェの第三者割当増資を引き受けた。具体的な出資額や出資比率は開示していない。
ベローチェは蓄電システムと配電製品、汎用のEV充電器を統合管理し、最適制御するソフトウェアを独自に開発・製造している。伊藤忠はEVの普及拡大に伴い、ベローチェが展開しているハードウェアとソフトウェアの需要が今後伸びると想定。求められる充電インフラの整備を加速していきたい考え。
伊藤忠はベローチェの革新的な製品と技術を活用することで、送配電網の拡張工事を回避し、変圧器やブレーカーといった大型付帯設備の小型化を実現、独自開発の配電製品によりEV充電器の設置工事プロセスを簡素化し、工期を大幅に短縮するソリューションパッケージを構築する考え。
まずは政府支援を受けて大規模な充電ネットワークの構築が進む米国市場で、商用車を中心にリース事業を展開する現地リース会社と提携し、地場の物流会社などEVへの切り替えを進める企業に当該ソリューションを紹介する。日本でも今後、政府の「グリーン成長戦略」の中でEV充電器の拡大が見込まれるため、ソリューションをカスタマイズし、展開していく構え。
(藤原秀行)