巣ごもり需要一段落し「自前で基盤整備」から戦略転換
EC構築支援を手掛けるカナダのShopify(ショッピファイ)は5月4日、物流事業の大部分を、米国のデジタルフォワーダー、フレックスポート(Flexport)に売却すると発表した。
ショッピファイは2022年に米国でEC事業者の物流支援を手掛けるスタートアップのデリバー(Deliverr)を21億ドル(当時のレートで約2700億円)で買収するなど、自前で配送や在庫管理などの物流基盤を拡充してきた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要の伸びが一段落し、ECが以前ほど大きく伸びる見通しが立たなくなってきたことから戦略を転換。物流ネットワークの運営はフレックスポートに委ねることで本業のEC構築支援に経営資源を集中させたい考え。
売却額は開示していない。手続きは2023年の第2四半期(4~6月)中に完了する見通し。事業売却と並行して、ショッピファイはフレックスポート株式の13%を取得する。
ショッピファイは併せて、従業員を約2割削減する方針も開示した。同社は22年にも当時の従業員の1割に相当する約1000人を削減する方針を表明していた。
(藤原秀行)