都とCJPT、主要物流・荷主企業が参加し現場に順次導入へ
東京都は5月15日、走行時に温室効果ガスを出さず環境負荷が低い燃料電池(FC)小型トラックや電気自動車(EV)トラック100台以上を都内の物流企業と荷主企業が順次導入する「東京プロジェクト」を4月に開始したのに伴い、都内でFCトラックの出発式を開催した。
プロジェクトは主要な自動車メーカーが出資しトラック・バスの電動化に取り組んでいるCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)などと連携。都は水素を活用したFCトラックやEVトラックの利用を促進し、商用車を排出ガスが出ない「ZEV(Zero Emission Vehicle)」に転換していくことで、物流領域の脱炭素を加速させていきたい考え。
お披露目したFC小型トラック
会場でお披露目したFC小型トラックはいすゞ自動車の「エルフ」を土台にして、トヨタ自動車の関連機器を搭載している。水素と空気中の酸素を化学反応させて生み出した電気を動力源とするため、稼働時のCO2排出をゼロにできる。会場ではこのほか、大型のFCトラックもお目見えした。
大型のFCトラック
出発式には都とCJPTに加え、アマゾンジャパン、コカ・コーラボトラーズジャパン、セブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート、岩谷産業、日本通運、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、西濃運輸、福山通運、アサヒロジの各社の幹部が出席。会場を静かに出発するFC小型トラック2台を見送った。
出発式で東京都の潮田勉副知事は、「日本の優れた技術を持ち、FCトラックの実装が進むのはわが国の国際競争力強化にも資する。東京都も皆様と力を合わせて取り組みのスピードを上げ、水素の供給体制についても検討を進めていく。プロジェクトを必ず成功させ、商用車のZEV化に弾みを付けていきましょう」との小池百合子知事のメッセージを代読。
CJPTの濱村芳彦取締役(トヨタ自動車統括部長)は「本日の出発式は、われわれが『ダウンタイム』と呼ぶ、トラックの停滞時間低減を実現させる運行管理と一体になったエネルギーマネジメント開発の本格スタートを意味する。力を合わせてスムーズな電動車導入の環境を整えていくことが、持続可能な社会の構築に向けた確実な第一歩だと考えている」と意義を強調した。
出発式に参集した都やCJPTの幹部ら
(藤原秀行