乾汽船、アルファレオ対象に限定した現行の買収防衛策を廃止へ

乾汽船、アルファレオ対象に限定した現行の買収防衛策を廃止へ

株式保有5%未満低下と推測、継続の意義薄れたと判断

乾汽船は5月11日、投資会社のアルファレオホールディングス(HD)および同社と関係のある企業を対象に限定した買収防衛策を廃止すると発表した。

併せて、発動の対象を特定の企業や団体に絞り込まない一般的な買収防衛策をあらためて導入することも決めた。いずれも6月22日開催予定の定時株主総会に諮る予定。

現行の買収防衛策は、アルファレオが乾汽船株式を買い増し、経営陣に様々な要求を突き付けていた2021年6月、乾汽船側が定時株主総会に諮り、承認を得て導入した。

アルファレオなど特定グループを念頭に、30%を超える株式を取得しようとしたり、濫用的株主権の行使と裁判所が認める行為をしたりした場合に発動すると設定。具体的には、独立委員会への諮問などを経て、対抗措置としてアルファレオなど一部を除く全ての株主に新株予約権を無償割り当てし、アルファレオの持ち株比率を強制的に引き下げることを想定している。

その後、アルファレオが乾汽船株式を順次手放し、現在は5%未満にとどまっているとみられることなどから、乾汽船経営陣は脅威が低下し、現行の買収防衛策を継続する意義が薄れたと判断した。現行の買収防衛策の期限は、今年の定時株主総会終了後までとなっていた。

新たな買収防衛策は、乾汽船株式の15%以上を買い付けようとした場合に発動の対象となるよう設定する。

(藤原秀行)

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